Brandon Ross

2011/12/14 Brandon Ross & Stomu Takeishi (guest: 外山明) @ 青山 月見ル君想フ
Brandon Ross: guitar, vocal
Stomu Takeishi: bass
外山明: drums
setlist: unknown

Brandon Ross は Stomu Takeishi 経由で知った。"Costume" も "Puppet" も持ってるし、鈴木大介との共作の武満徹集"夢の引用"も持っているので、結構ファンなのかもしれない。この人の特徴は、「弾かない美学」とか「ブルージーなテイスト」とか「独特の浮遊感」とか、わかったようなわからないような感じで説明されていますが、まあそんな感じでしょうか。Brandon Ross の音楽を聞いていると、優しい心を持っている人と穏やかな時間を過ごしているような感じになる、というのがいいと思うのですが、このライブもそんな感じでした。

基本的には小音量のライブで、エアコンの音と同じくらいなので聞くのに集中力がいるのですが、そのためか自然と引き込まれる感じでした。 1st はほぼ Brandon Ross と Stomu Takeishi のデュオで最後に一曲外山明が入るくらいで、 2nd はそれなりに外山明が入っていました。ルバートっぽい曲が半分かそれ以上あったように記憶しています。

Brandon Ross と Stomu Takeishi は一緒に演奏して長いのか、演奏が"自然な会話"になっていました。ジャズは会話だ!とかっていうのはよく聞く文言なのですが、個人的には会話が成り立っている演奏というのは稀だと感じています。その点、このライブではどっぷりこの二人の会話(+外山明が加わった会話)を見せてもらいました。

前日に 鈴木大介, Brandon Ross, Stomu Takeishi で Toru Takemitsu Project と題してライブをしていたので、それも見に行けばよかったなぁと思ったのでした。

Kurt Rosenwinkel Trio

2011/09/29 Kurt Rosenwinkel Trio @ 丸の内 Cotton Club (2nd show)

Kurt Rosenwinkel: guitar
Eric Revis: bass
Justin Faulkner: drums

setlist
1. Ruby My Dear
2. Serenity
3. Goodbye Pork Pie Hat
4. Ugly Beauty
5. Along Came Betty
6. Sandu

実は今回が初カート.最近はトリオでの来日ばかり + メンバー的にもあまりグッとこなかったのだが,今回は Justin Faulkner と来るということで,観に行くことにしました.ちなみに日本では三日間演奏があって,初日は飛行機のトラブルでカートのソロ演奏だったらしいです.むしろそっちの方が聴きたかった....

Kurt Rosenwinkel はちょい大柄だったのですが, Justin Faulkner がめちゃデカイ&めちゃ足が長いのにまず圧倒される.遺伝子の違いを見せつけられたような.
見た目はさておき,内容ももちろん圧倒的でした.やっぱりカートはスタンダードトリオでもすごいです.フレーズの発想も豊かだしコードの音使いも入れるタイミングも素晴らしい.そして選曲も渋くていい(Goodbye Pork Pie Hat とか最近あんまり演奏してる人みないですよね).

ただ一つ難点は,ほぼ完全にカートのワンマンショーだったこと.Eric Revis も Justin Faulkner も,サイドマンに徹している感じでした.
多分ベースとかドラムとか一定以上の人なら誰とでも同じような感じで演奏できるんですよね.それでもこんなにすごいんだから,90年代〜00年代の Mark Turner, Ben Street, Jeff Ballard とのカルテットはもっとすごかったんだろうな.

今度 Village VanguardKurt Rosenwinkel New Quartet と銘打って演奏するっぽいので,それに期待です.メンバーは Aaron Parks, Eric Revis, Justin Faulkner だそうです.




夏の京都

Tigran Hamasyan

2011/09/04 Tigran Hamasyan Solo @ 東京ジャズ

東京ジャズでほぼ唯一興味があったのは Tigran Hamasyan.無料で観られるステージで演奏するというので急遽行くことに.
曲目は I Remember You を弾いてた以外はオリジナルっぽい.最新アルバムの曲をやっているんだ,みたいなことを話していた.

ピアノだけを弾いたり,歌いながら弾いたり,ボイパ(タブラみたいな)しながら弾いたりと,見てて&聴いてて飽きない構成(中でもボイパは圧倒的).
弾いている内容は少しナルシストっぽい(失礼)のは気になるが,すごいいいこと弾いているなぁという印象.これがタダで見られるなんてすごい!

演奏終わったあとも,CDの即売会+サイン会みたいなのに出ていてエライなぁと思いました.


ところで客席の人の年齢層が50代〜中心だったんですが,こういうのを見てどう感じたんでしょうかね.気になります.





夏の奈良

やの屋

2011/09/03 やの屋 @ 東京藝術大学藝祭
矢野顕子+藝大生の方々


setlist
美術作品×音楽=?
邦楽器×矢野顕子×ハウスミュージック=?
新楽器×矢野顕子=?
光×闇×声×音楽=?
(+ VOICE SPACE とのコラボ(ホームページには書いてない?))


友人からやの屋の整理券が手に入ったと聞き,急遽観に行くことにしました.


藝大生主導で矢野顕子とコラボレーションをするという企画のようです.最後2つが特に良かったです.


「光×闇×声×音楽=?」では矢野顕子は物語を読みながら,後ろで学生がBGMを付けていて,
さらに観客に LED ライトを配布して, Kinect を利用して観客参加の企画でした.
矢野顕子の朗読はもちろん良いのですが,学生のBGMがなかなか素晴らしかったです.


VOICE SPACE とのコラボでは,VOICE SPACE の「明日」という曲を矢野顕子ボーカルで演奏していましたね.
また違う友人がこれに参加していて,すごい羨ましかったです...

Gonzalo Rubalcaba Trio

2011/09/01 Gonzalo Rubalcaba Trio @ 丸の内 Coton Club (2nd show)

Gonzalo Rubalcaba(p)
Matt Brewer(b)
Marcus Gilmore(ds)

setlist
Time Remembered
Avatar から何曲か?


この日は久しぶりにライブに参戦.幾つか観に行きたいライブがあった気もしますが,金銭的・時間的余裕があまりなかったので,色々パスしました.
このライブはサイドメンバーが良いので観に行くか,というノリですね.学生だと半額で入れるんです.ありがたや,ありがたや.

Gonzalo Rubalcaba って大昔は超絶ピアニストで売っていた気がするんですが,なんか途中から路線変更してちょっと繊細なこともイケるぜ哲学的だぜ,なピアニストになろうとしている感があるのですが,個人的にはそれは失敗なような気がしています.

今回のライブでも Time Remembered がまさにそれを表していて,しっとりとバラードで哲学的なオレ,という表現なのかは知りませんが,なにせピアノのタッチからなにから胡散臭いと感じました(失礼).本人としては入り込んでいるように聴こえるのですが,それを見ていても観客(まあボクのことですが)は冷めている,そんな感じ?

Matt Brewer は正直あまり印象に残らなかったのですが, Marcus Gilmore がすごかったです.
シンバルの音もすごいキレイだし,個性あるし.Gilad Hekselman Trio を観に行っておけば良かったと思いました.残念.



8月はしばらく京都に行っていました.写真は三十三間堂.中観るだけで一日の体力のうち半分は消費しました.

Brian Blade & the Fellowship Band

2011/05/12 Brian Blade & the Fellowship Band @ 丸の内 Coton Club (2nd show)

Brian Blade (ds)
Myron Walden (as, bcl)
Melvin Butler (ts)
Jon Cowherd (p, org)
Chris Thomas (b)

setlist
最後に King's Highway をやったことしかわかりませんでした....最近レコーディングをしたという話なので,そのアルバムの曲が大半だったのでしょう.


前回の来日の時に聴いた演奏が衝撃的すぎて,今回もすごい期待をして観に行ったのですが,結果的には期待はずれでした.Melvin Butler と Jon Cowherd はすごくよかったです.Melvin Butler はものすごく歌うサックスを吹いていて, Jon Cowherd はモチーフの発想も発展の仕方も良くて惚れ惚れしました.

一方でこのバンドの盛り上げ役(?)である Myron Walden の調子がイマイチのように感じられました.楽器のコンディションが良くないのか,高音が全然うまく出なくて,いつもなら一発ドカーンとくるところでも不完全燃焼に終わってしまい,それでも Brian Blade が盛り上げようとして,結果としてバンドが空回りしてチグハグなものになってしまう場面が何度かありました. Brian Blade は Jon Cowherd がしっとりと弾きたそうにしている時でも盛り上げようとしていることがあったので,「リーダーとしてここは俺が盛り上げなきゃ」という責任感でもあったのでしょうか(そんな単純なことではないかもしれませんが).そのせいか結構ドラムは荒っぽかったです.

ベースの Chris Thomas は初めてみたのですが(前回の来日時は Roland Guerin がベース.彼は物凄い良かった!!),なんでこの人が BBF のレギュラーベーシストなんだろうかと疑問に思いました.楽器は別にうまくない,タイムもいいかげん,格好いいことを弾くわけでもない(演奏中に2,3回格好いいところはありましたが),ソロは曲から浮いていてめちゃくちゃな上に長い.ホント糞野郎!と思いながら "Season of Changes" を聴いてみたらちゃんとしてるんですよね.....

Seamus Blake Quartet

2011/05/10 Seamus Blake Quartet @ Motion Blue Yokohama

Seamus Blake (ts)
David Kikoski (p)
Matt Clohesy (b)
Ari Hoenig (ds)

1st set
1. Dance Me Home
2. Fear of Roaming
3. Smoke Gets in Your Eyes
4. Subterfuge

2nd set
1. Amuse Bouche
2. On the Sunny Side of the Street
3. Little Angel
4. The Jupiter Line
5. (Encore) Blues in Bb

Ari Hoenig はあまり来日する機会がないのでこれは観に行かなきゃという感じです.実際お客さんの多くが Ari Hoenig 目当てで来ていたような雰囲気でした.僕も40%くらい Ari Hoenig 目当てだったのですが,それ以上に Seamus Blake が好きなのです.CDで聞いていたときは,なんかイマイチよくわからなかったのですが, Malfunction Alibi で実際に見て以来好きになりました.

Seamus Blake のバンドに Ari Hoenig が入るのはあまりない(Sam Yahel の "Jazz Side of the Moon" で共演はしていますが)ので,どうなるか期待半分不安半分といったところでしたが,結果的にはこれはこれで面白かったのかなと思います.曲の解釈がすごい柔軟だったので,今までのレギュラーバンドではあまり見られなかったようなドラマチックな展開になる曲があったりしました(Amuse Bouche とか).

Ari Hoenig はやはり売れっ子なだけあって,読譜力がすごかったです.このバンドも曲はかなり難しいのですが,ライブを通して2回くらいしかミスをしていませんでした.Seamus Blake とは噛み合わないと感じるところもあったのですが, David Kikoski との相性は抜群でした(というか David Kikoski がドラマー好みなアプローチをするからですかね....).また Ari Hoenig は結構手癖っぽいフレーズは多い印象なのですが,その組み立て方が良いので全然気になりませんでした.

Seamus Blake は 1st set の4曲目くらいから調子が出てきた感じです."Smoke Gets in Your Eyes" のときにコンタクトレンズを入れなおしていたので,そのせいでそれまで集中できなかったみたいですね.彼の曲の特徴の一つとして,ソロがいくつかのセクションに分かれていてキューを出して次のセクションにいく,ということが挙げられると思うのですが,それを結構みんな効果的に使っていて面白かったです.こういうのを使った曲ってあんまりないんですかね?




夜の横浜.一人で Motion Blue Yokohama 行くのはツライものがあります....